キセノンフラッシュの活用事例

キセノンフラッシュの用途は極めて多様です。
ストロボスコープとしては、高速で移動ないし回転する物体を「止めないで止めて見る」機能を利用して、大学や研究機関においては調査・研究用に、また産業分野では、カメラ・ソフトウェアと組み合わせたAOI(自動光学検査装置)システムの光源として、活用されています。
熱源としての利用では、計測分野では物性測定装置や赤外線非破壊検査装置の加熱用熱源として、また産業分野では、半導体シリコンウェハーのアニール用光源として、太陽電池などのI-V特性を測定するソーラーシミュレータとして、プリンテッド・エレクトロニクスにおける金属ナノインクの焼成・焼結用熱源として、などの活用が始まっています。

  • ストロボ活用事例

    同軸ファイバーでストロボ光源とカメラが6ヵ所にセットされ、微小チップ部品の通過時に画像を高速で取込み、検査後良否判別(1200個/分)する装置を製造・販売されています。

  • 画像による形状計測において複数の光源を積極的に利用して、様々な方向から対象表面にストロボ光源を照射したときの明るさの違いからその向きや形状を把握する研究をされています。例えば、内視鏡観察時に把握しにくい患部の大きさをこの方法で計測することにより、信頼性や安全性の高い診断が可能となります。また、工業用や災害救助用の計測に応用することも期待されています。

  • シリコンインゴットライフタイム測定器

    シリコンウェハの加工やデバイスの製作プロセスにおける金属汚染や結晶欠陥の解析・研究のためにキャリアライフタイム*の測定がますます重要視されてきています。ナプソン社製シリコンインゴットライフタイム測定器では、当社ストロボを用い、測定規格に基づいた安定なライフタイム測定を実現しています。

  • FG-310-U2 & MS-600

    スピーカーが良い音を発生するためには、スピーカーコーンが音声信号に忠実に振動することが求められます。ストロボスコープを用いることによって音声信号に追従し高速で振動するスピーカーコーンを、スローモーションとして直接眼で見て確認することができます。

  • インクジェットプリンタにおけるインクの飛翔状態を観察または画像として捉えるために、当社のナノパルスライトが多くのラボで使用されています。

  • 医療分野などへの応用のために、10kHz~100kHz帯域の音響=音波、超音波が引き起こす様々な現象を、当社のナノパルスライトをもちいて音波波面の様子を可視化し研究されています。

  • レーザ励起型プラズマ光源をもちいた最先端半導体露光装置においてレーザ光を照射するターゲット材料(液体キセノンなど)の噴射状態を観察するために、当社のナノパルスライトが使用されています。

  • レーザをもちいた光励起で有機物質中に生成されるカチオンラジカル(陽イオン)などの挙動を観察するために、当社のナノパルスライトが光源として使用されています。

  • 衝撃波が斜面に衝突し正常反射している可視化例

    圧縮性流体中を超音速で伝播する衝撃波が斜面などに衝突したときに生じる反射波を、当社のナノパルスライトを光源としたシュリーレン法をもちいて研究されています。

  • スクリュープロペラのキャビテーション撮影

    船舶のスクリュープロペラが水中で作動するときキャビテーションと呼ばれる渦を生じます。その渦は、船舶の推進効率やプロペラの亀裂・破壊とも関係するので長年にわたり精緻な研究が続けられています。

  • フラッシュランプ装置の図

    半導体が目指す方向として、高密度とスイッチング速度の高速化が求められています。
    これを実現するには薄い半導体層を作る技術が必要となっています。半導体層を作るには、シリコンウェハに不純物(異種元素)を注入し(ドーピング)、壊れた結晶構造を回復するため、熱処理により活性化を行います。この時、熱が深くまで入ると、不純物が深い層まで拡散して厚い半導体層になってしまいますが、フラッシュアニールは極く表面しか熱処理温度に達しないため、不純物が拡散せず、極く薄い半導体層を作ることができます。

  • マイクロチャンバーの図

    金属ナノインクは、いわゆるプリント基板を印刷で作る技術として実用化が期待されています。銀や銅などの非常に細かい金属ナノ粒子が混ざったインクで、パターンを印刷した後、熱をかけることで金属ナノ粒子同士を結合させ、導電パターンとするものです。特に銀ナノインクは低温(100℃台)で焼成・焼結できるため、プラスチックなど、さまざまな基材に導電パターンを作るために、基材への影響が少ないフラッシュランプによる加熱が有望視されています。

  • 熱物性測定装置は試料の熱拡散率(熱伝導率)を測定する装置で、試料片面を熱パルスで過熱し、反対側の面に伝わってくる熱を時間の関数として測定します。試料から周囲への熱損失がなく、印加した熱パルスのパルス幅がゼロとみなせれば、測定値から計算により熱拡散率を求めることができます。熱源としてはフラッシュランプかレーザーが使用されていますが、レーザーに比べ価格が安く、また、加熱面積も広げやすく、小形であることからフラッシュランプが使われています。

  • 試料の表面をフラッシュランプで加熱し、その表面の温度変化をサーモグラフィで観察します。試料内部にひび割れなどの欠陥があると、その部分の熱の伝わり方が悪くなり、結果として表面温度にムラができるため、サーモグラフィの画像で欠陥を発見できます。熱源としては試料の表面のみを一瞬にして加熱する必要があるため、フラッシュランプが使われています。

  • 食肉殺菌システム

    UV光による殺菌は微生物のDNAがUV光により破壊されることによるもので、吸収特性は265nmをピークとして200-300nmの範囲にわたっています。これまではおもに、254nmの単スペクトル光を持つ低圧水銀ランプが用いられてきましたが、スピード化と、より幅広い、より強力な殺菌効果のあるフラッシュランプに、注目があつまっています。

  • 材料に内在する、肉眼では見えない亀裂(クラック)を検査します。浸透材として蛍光液を用い、材料に塗布して亀裂に染み込ませた後、紫外線を当てて検査する方法です。一般にはブラックライトで目視検査を行っていますが、ライン装置として移動体を画像検査するときなどにはフラッシュランプが有効です。

  • 紫外線硬化樹脂を用いた接着剤、インク、塗料などを硬化させます。フラッシュランプは、高圧水銀ランプに比べ強い紫外線により短時間で硬化させることができ、また、対象物への熱の影響も少ないと言えます。