トルクメータ HBシリーズ

トルク測定部 HBシリーズは、長年の実績を持つ信頼のヒステリシスブレーキトルクメータ TA/TBシリーズの後継モデルです。トルク精度を定格トルクの±0.1%にアップ、また低トルク機種において最高回転数を60,000r/minまで大幅に向上させました。ギヤモータ測定用エンコーダオプション2種類を用意し、10r/min、5r/minの極低速度測定に対応します。定格トルク5mN・mから50N・mまで13機種をラインナップ、ショート定盤モデルや恒温槽試験用モデルもご用意しています。

トルク・ダイナモメータカタログ(PDF: 3.3MB)

モータ性能測定器カタログ(PDF: 4.7MB)

信頼のヒステリシスブレーキ

ヒステリシスブレーキ
ロータとステータ

ヒステリシスブレーキは、透磁率の高い磁性体でできたロータを、歯形形状のステータによる磁界の空隙の中で回転させる構造になっています。ステータに流れる磁束がロータを貫くことにより、ロータとステータとの間に磁気摩擦が生まれ、非接触のブレーキとして働きます。この磁気摩擦はロータを貫く磁束の強さに比例し、磁束の強さはコイルに加える励磁電流の強さによって調整できます。そのためヒステリシスブレーキは、ロータの回転速度に関係なく、ブレーキ力を容易に調整できることが特長です。

ブレーキユニットの構造

HBシリーズトルク測定部のブレーキは、本体フレーム上に軸受けで保持されています。被測定モータによって回転しているロータに、ステータとの間の磁気摩擦によるブレーキをかけると、ステータに反力が発生してステータは回転しようとします。その反力をブレーキトルクとしてロードセルで検出します。ステータが回転しようとする力だけをきわめて静的に検出するため、回転軸上でトルクを検出する方法に比べ振動の影響を受けにくく、高速回転にも適した安定な検出方法です。

おもな特長

  • 50年の実績に支えられた高信頼のヒステリシスブレーキは、ロータ・ステータ間のギャップを狭小にするとともにロータの慣性モーメントを極力抑え、トルク制御性能の向上と回転時の振動低減をはかっています。
  • トルク精度は全機種定格トルクの±0.1%(コントローラDM5000を含むシステム精度(DM5000にて校正後))。
  • 世界最高水準の高速回転を実現、定格トルク50、100、200mNmの3機種は60,000 r/min、500 mNm機種は50,000r/minです。
  • 極低速測定用ロータリーエンコーダオプションにより、10~10,000r/min(600P/R)、5~5,000r/min(1,200P/R)に対応します。
  • 定評あるモータ取付治具MMJシリーズを使用します。特注治具の製作もうけたまわります。
  • HB-50MN(定格50mNm)からHB-5N(定格5Nm)までの7機種については、ショート定盤モデルと恒温槽試験用モデルを標準でご用意しています。

トルク測定部HBシリーズのおもな仕様

型名 最大トルク 最高回転速度(r/min)(∗1) 5分間定格(W) 連続定格(W) 標準モータ取付治具
HB-5MN 5mN・m 40,000 7.5 1.5 MMJ-7C
HB-10MN 10mN・m 40,000 15 3 MMJ-7C
HB-20MN 20mN・m 40,000 30 6 MMJ-7C
HB-50MN 50mN・m 60,000 75 15 MMJ-7C
HB-100MN 100mN・m 60,000 120 25 MMJ-7C
HB-200MN 200mN・m 60,000 170 35 MMJ-7C
HB-500MN 500mN・m 50,000 300 60 MMJ-9C
HB-1N 1N・m 30,000 400 80 MMJ-9C
HB-2N 2N・m 25,000 600 120 MMJ-10C
HB-5N 5N・m 20,000 1,500 300 MMJ-10C
HB-10N 10N・m 12,000 3,000 700 MMJ-12B
HB-20N 20N・m 12,000 6,000 1,200 MMJ-12B
HB-50N 50N・m 7,000 12,000(∗2) 4,000 (∗3)

(∗1)低速度測定用に、ロータリーエンコーダ600P/Rオプション(10~10,000r/min)と1,200P/Rオプション(5~5,000 r/min)をご用意しています。
(∗2)HB-50Nは3分間定格です。
(∗3)特注治具を承ります。

モータ取付治具MMJシリーズ

標準モータ取付治具

MMJシリーズは、モータ軸と測定軸の心出し調節機能を持つモータ取付治具です。HB-5MN~HB-20Nの12測定部に対して4モデルを用意しています。被測定モータを置くVブロックの面がトルクメータのシャフトと平行になるように設計されていますので、モータのシャフトがボディと平行であれば、Vブロックに載せるだけでモータとトルクメータのシャフトは平行になります。そのため心合わせが容易に行えます。

校正について

校正治具セット

別売りの校正治具セット(校正バー・分銅)を用いて校正してください。図のように校正バーをシャフトに取り付け、専用ソフトの指示にしたがって校正バーの溝に分銅を吊り下げます。ゼロ調整・CW/CCWトルク値調整は、専用ソフト上で行いますので面倒なボリューム調整は不要です。

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